日本は世界でも有数のコーヒー消費国って知っていましたか?
なんと個人の消費量は世界でなんと4位。コーヒーの輸入量は全体のコーヒー生産量の5%にもなります。
そんな日本人が普段愛好しているコーヒーですが、意外とそのルーツを知らない方もいるのではないでしょうか。
よりコーヒーを楽しむために、コーヒーの歴史を見ていきましょう。
コーヒーの起源はヤギ飼いの少年カルディ?

エチオピアの伝承カルディのヤギ飼いというお話があります。
日本ではカルディコーヒーファームというコーヒーと輸入食品を取り扱っているお店の元ネタになっています。
エチオピアにカルディという少年がいました。
ある日のこと、放し飼いをしていたヤギが興奮して飛び回り、夜になっても収まりません。
不思議に思い、調べてみると牧草地に生えている赤い実をたべているのが原因だと分かりました。
ヤギ飼いも赤い木の実を食べると、気分が爽快になったといいます。
この話を聞いた修行僧が、夜の修行に使ってみると効果があり、大変役に立ったそうです。
この話が広まり、魔法の木の実「コーヒー」が求められるようになったといいます。
コーヒー最初の活用方法は薬

現在はコーヒーを焙煎し挽き、抽出して飲む方法が主流ですが、大昔はそうではなかったようです。
西暦900年ごろラーゼスと呼ばれるアラビア人の医師がコーヒーの薬効を記述しており、コーヒーの種子の煮汁を患者に飲ませると、利尿効果、消化促進、強心効果があったとされていました。
アフリカの遊牧民族では、旅に出る際の携行食として、コーヒーの種子を脂肪とスパイスと混ぜ合わせ、「エネルギバー」を作ったとされています。さらにコーヒーチェリーの外皮や葉を煮出し、カフェイン飲料を作っていました。
大昔から、現在のコーヒーと同じように人々に元気を与える食べ物、飲み物として扱われていたことがわかります。
15世紀 イスラム世界での広まり

元々は「薬」としての側面が強く、一般には普及されていませんでした。
イスラム教において9世紀ごろには「バンカム」とよばれるコーヒーの煮汁についての記述がありますが、寺院において秘薬として飲まれていたそうです。
次第に、徹夜で行う瞑想や儀式の眠気覚ましとして広まり、神聖視されるようになりましたが、同時に宗教的な是非が問題になりました。
同時期にトルコ、イラン、エジプトなどで焙煎が始まる

この時代15世紀~16世紀にかけて、現在の焙煎、挽くというコーヒーの原型が生まれたと考えられています。
焙煎の起源は不確かですが、偶然豆が焼かれたときの芳香がきっかけになったと考えられています。
トルコでは1400年ごろに焙煎に使用されていたであろう道具も発見されています。
ここからトルココーヒーが始まり、イタリアに伝来しエスプレッソが生まれるきっかけになったのです。
植民地支配による世界的な広まり

コーヒーの最初の貿易はアラブ人から始まりました。
彼らは自らの利益を守るため、煮てから売ることで他人が栽培できないようにしていました。
しかし17世紀にイエメンからインドに種子が密輸されてしまいます。さらにオランダ人の貿易商が苗木をアムステルダムに移植しました。
17世紀末にはオランダの植民地であったインドネシア全域でコーヒーが栽培されるようになりました。
カリブ海と南米には18世紀初頭にコーヒーの苗木が持ち込まれました。
オランダから伝わった苗をフランス人がハイチ、マルティニーク島へと移植しました。イギリスはハイチ、ジャマイカにコーヒーを伝えました。
その後、南米、中米、メキシコと伝来し世界的に広まりました。今日ではアジアの各地でも栽培されるようになりました。
まとめ

コーヒーの起源は1000年前になり、アフリカ、イエメンで発見される。
最初は薬として扱われていたが、一般に広まるようになる。
15世紀、焙煎しグラインド(挽く)する現在のコーヒーの原型が開発される
17世紀ごろからオランダやフランスの植民地支配によるコーヒーの世界的な広まりが始まる。
今日では主要な栽培地のほかにも、アジアの各地で栽培がおこなわれるようになった。